イタオマチプの複製の製作が2020年10月〜2021年6月に行われました。
海漁や交易などの沿岸航海に使われたアイヌの舟です。
大陸への航海にも利用され、広い地域の諸民族と交流があったことがわかっています。
丸木舟の舷側に穴を開けて板を継ぎ足し、吃水を高くすることで積載量や航海性能を向上させています。
カヤと呼ばれる櫂(かい)や艪(ろ)で漕ぎました。ガマなどで編んだゴザを使用した帆も用いられました。
1900年頃まで使用され、その後姿を消しました[1]。
アイヌの人々の歴史と文化をより身近により深く理解するために、また、技術の復興のために2020年から2021年にかけて復元されたのがこの船です。
船のサイズは、長さ11.4m、幅1.7m、重量1.7トン。
材料となった樹は、北海道大学雨竜研究林の間伐材であった樹齢194年、樹高32m、直径1.48mのアカエゾマツ。
[1] アイヌ文化史辞典, 吉川弘文館, 2022